2012年2月18日

私とブータンの出会い

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なぜブータンなのか、そう問われると何と答えるべきか迷う。あえて一言で言うなら「魂が引き合わせてくれた」のだと思う。

偶然手に取ったチベット僧院の写真になぜか惹きつけられた。「やっと会えたね。」そう、写真が語りかけてきたのだ。ここに行かなきゃ、と思い立って3ヶ月後、ある広告を目にする。ブータン政府が100%有機農業の国に転換することを目指し、ローカルNGOの立ち上げに関わるボランティアを募集していたのだった。場所はブータン南部サムドラップ・ジョンカル。半鎖国状態のブータンに入るには、招待ビザが必要となる。さらに、当該地は外国人未開放区で、厳格な審査を経た特別許可書(Special Permit)も要する秘境中の秘境だ。そうして、縁あって、無事、招待ビザと特別許可書を入手し、約半年間、ブータンにて青空シャワーに牛耕生活を送ることになったのだった。

民主化宣言したばかりのブータンで初の市民運動の旗振り役であるリンポチェ(仏教指導者)の僧院に招かれた時おどろいた。西洋の神殿のような真っ白な作り。隣には学舎と宿舎がある。昔、夢で見た景色にそっくりだったのだ。私はときどき強い夢を見ることがあり、夢日記をつけている。3年前に描いた世界が目の前にあったのだ。ブータンの建物は普通赤を基調とするカラフルな色どりであるが、たまたま建て替え中で真っ白だった。私が来るべき時は正にこの瞬間であると決まっていたのだろうか。

思うに、生命の遺伝子は歴史の記憶を引き継ぐのではないか。丹後に来て、こんな話があった。「同じ町内でも、上と下の集落では人の性格が違うの。天領だった地は穏やか、幕府領だった地は神経質でせこい。お殿様に絞りとられた記憶が子孫にも残っているのね。」
先祖の経験が子孫に伝わるのか、面白いテーマだなぁと思った。



「人の遺伝子は約30億の塩基配列から成るが、生きている間に使われている遺伝子は5%にすぎない。ノーベル賞をとった人も凡人も配列は同じ。遺伝子スイッチをオンにすることでDNAを動かすことができる」(村上和雄氏)

「地殻には地球の歴史が刻まれ、遺伝子は生命の歴史を引き継ぐ」(木原均氏)

働いていない95%の眠っている遺伝子は無駄なものではなく、これには、有史以前のずーーっと過去から引き継がれてきた膨大な記憶が描かれているのだと思う。
もしかしたら、受け継がれてきたDNAの一部の何かの記憶が、私の夢にクロスしたのかもしれない。

意味のないものなんてこの世に存在しない。必要な時にはきっと受け継がれてきたDNAの一部は力を貸してくれる。何かを本気で求める時、眠っている全魂が味方をしてくれる、と私は勝手にそう信じている。ヒト・レニン遺伝子の解読に世界で初めて成功したという村上和雄氏は、感謝の気持ちが眠ってる遺伝子のスイッチをオンにするという。信仰心の厚いブータン人は天への感謝、命への感謝を忘れない。そこが幸せの原点なのかもしれない。

全ての事象はつながっているのだ。ブータンに引き寄せられたことも、そして今丹後にいることも。
この出会いに感謝。受け入れてくれた人たちに感謝。



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