2013年11月9日

イタリアからのお便り:地中の穴に埋めて発酵させた羊のチーズ「フォッサ」

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イタリアで料理修行中のたねのうたメンバーchiyukiさんが、とっても楽しいお便りを送ってくれたので、紹介したいと思います。なんと、地下に掘った穴に埋めて発酵させるチーズがイタリアにあったのです。

たねのうた http://tanenouta.com

 

以下、フォッサというチーズを作っている山の上の小さな町ソリアーノから。

 ====================おたより================================================

フォッサはD.O.P.という地域指定になっているチーズで、ここでしか作られていません。

作り方もかなり特殊で、フォッサという地中に掘った大きな穴の中にすのこを敷いて、まわりを藁で覆ったところに3ヶ月入れて発酵させます。作っているのは町の中で10軒ほど。そのうちの3軒を見せてもらいました。




私たちが行ったのはちょうどチーズの取り出し作業をしてる最中で(ものすごく良いタイミング)すごいにおいとすごい形相で仕事をするおじさんの現場を見せてもらえました。

おじさんはたいへんな仕事の中、私たちを歓迎してくれて、「汚い仕事だよ」って言ってました。いや、すごいですよ、こうやって伝統を守ってるんだから。

他の場所では丁寧に説明してもらい、チーズができるまでの最初から最後まで知りたいって言ったら、完全な分業制だからうちはこのフォッサの中に入れて発酵させるだけ、その前のことはやってないからよくわかんないって言われました。大まかには説明してもらったけど。これにもびっくり。
8月から10月まで発酵させるだけってことは、入れて取り出す作業以外はなにやってるんだろうって思ったけど、失礼になっちゃいけないと思って聞かなかった。

 


最後に訪問したところは博物館みたいになっててとてもきれいだった。





発酵させる間は絶対に開けないらしく、中がどうなっているかは開けてみないとわからないんだそうです。

フォッサの中がいっぱいになるまでチーズを詰め込んで、木で蓋をして、さらにまわりを粘土質の土できっちり密閉します。取り出すときはそれを叩き割って開けるそうです。

長年使っているフォッサの中にはチーズを発酵させるだけの十分な菌がいて、それらが働くようです。空気は石のすきまから入ってくるのかな?他のチーズよりも香りが強くて独特の味はこうやって作られてるのかと思ったら感動でした。




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