2017年4月16日

ならいごとの旅 in 台湾(6)茶農家の食卓

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台湾で4年半前に始まった生産者とつながる畑の食卓イベントを主催するグループ「稻田裡的餐桌計劃-幸福果食」を訪ねて来ました。

幸福果食は4人のスタッフとボランティア(ここでは、「夢行者(夢を実践する者)」というそう)運営する農業支援の会社。
4年半を通じた活動で、台湾中の約300の農家とつながり、毎週どこかの農家のところでイベントを開催しています。


私が今回参加したのはそのイベントの一つでもあり、4年半前のイベントのはじまりとなった記念すべき地での晩餐会。

中山休閒農場に集合し、バンで坂道を上がっていきます。
中山地域の集落は、まちを見渡せる高台にあって、空気がかわる。そして、柚子の花がいま満開の季節で、甘い香りが茶畑に広がっていました。

宜蘭は、有機農業の先進地として知られ、こちらの集落も全体がオーガニック。


ここでイベントの説明。

「ようこそ!これから、あなたたちは摘み子になります。工賃は100g 10元です。」

お客さんたちは、台北を中心に香港、日本、家族連れから20-30代の女子グループ、都会から地方の暮らしを体験しに来ている人たち。

講師は宜蘭で有機農業に取り組む29歳のUターン農家、正福製茶さん。親子で緑茶の製茶を教えてくれました。

昔ながらの積み子スタイルで、グループにわかれ茶摘みスタート。



摘み方は、一芯二葉。日本と同じです。

もともと台湾にある茶の樹は、野生のもあったと言われていますが、福建の方から伝わったもので、戦時中に日本が品種改良し、作り方も日本のやり方にだいぶかわったと言います。

工賃を計算するために重さを量ります。
さて、どのくらい働いたのでしょうか?!





今回作るのは緑茶。
発酵のプロセスなしで摘み終わったらすぐ釜炒りにします。

日本は蒸しが多いですが、台湾では釜炒り。

手揉み
これは日本のやり方とそっくり。



手揉みのあとは、農家さんの製茶工場で乾燥、仕上げをしてくれました。

その間にさっき摘んだ茶葉をはじめ、地元の食材を使った畑の晩餐会。

料理を作ってくれたシェフは、はじめは、この食卓イベントにボランティアとしてかかわり、会社が彼の独立を支援し、いまでは、バンで旅する料理人として各地で活躍しているとか。
畑の食卓シェフのあいさつ
旅する食卓のバン

この企画を立ち上げた理由を創設者のアウェンさんに聞いてみました。

目的は2つあって、ひとつは、地方の農家を継ぐ若者が減っているので農家のアトツギたちに田園回帰を促すこと、もうひとつは、都会の人たちに農業のほんとうの知識を伝え、また、それぞれの地域の魅力をPRすること。

300人の農家とのネットワーク、毎週どこかの地域で行われるイベント。運営はどうしてるのか聞いてみました。3つのチームにわかれてスタッフが支援し、それぞれにボランティアたちがいて、今回のシェフのように、事業をスタートした若者も12人いるとのこと。まさに、夢行者(中国語でmengxingzhe)たちが支えるイベントなのでした。

香港からもお客さんが何人かきていましたが、去年は香港でも地域のコミュニティの人たちと企画したそうで、来年は日本でも北海道で開催する計画だとのこと。夢は広がります。


畑の食卓では、マルベリーを収穫したり、

 タニシをひろったり。


台湾産ワインで乾杯

次々とでてくる食材について、台湾、香港、日本ではそれぞれの言葉でなんと言うか、食べ方はどうか、など、話が盛り上がります。
それにしても、香港、台湾のひとたちの会話は、教科書を読んでいるかのようなきれいな中国語。わたしの話す中国語はむしろ、北京語くさいのだそう。台湾人や香港人に取っては、北京語はなまってる地方言語の一種にすぎないようでした。


宜蘭名物のあひるをつかった料理と、茶葉のてんぷら 
 そして夜は更ける・・・

 先ほど収穫した柚子の花とマルベリーのデザート

最後に、正福さんに自分たちが作ったお茶を入れてもらいます



ジョークかと思ったら、ほんとに最後に工賃、いただきました!
300g摘んだので35元でした。

 工場見学



ところで余談ですが、後で気づいたのですが代表のアウェンさん、かなりのシードコレクターです。200種類は保存しているとのことで、種の話をあまりしなかったのがとても残念!

イベントの事務局をされいてる妹さんも、別事業の加工グループ代表らしく、この2人に聞けば、台湾全土の農家さんとつながれること間違いなしです。


これまでのイベントの様子も参考に・・・(幸福果食のHPより)



稻田裡的餐桌計劃-幸福果食
https://www.facebook.com/love2fruit/


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