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2017年11月17日

大宇陀の発酵を訪ねて:小規模ロットの天然発酵がいけてる蔵たち

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大和のつくり手を訪ねる旅

酒、醤油、葛。宇陀の生産者を訪ね発酵と食品加工について学ぶ。

宇陀市松山地区は、重要伝統建築保存地区に指定される古くの町並みがのこる地区ですが、歴史が深いだけではなく、食や発酵、手しごとといった生活産業、なりわいをみていくと、とっても面白いのです。

江戸時代から続く老舗の小規模の生産者が多くて、昔ながらの加工方法がいまに受け継がれているのが特徴。商売気がなく、ただただ伝統的なやり方を続けておられる。伝統の中にも、あたらしい酵母を取り入れたり、地元のお米との組み合わせで多品目のチャレンジをされているのは小規模の蔵ならでは。遊び心もあったりで、お話を聞くのがとても楽しいのです。

ボランティアガイドさん主催のツアーだったのですが、参加者の約半数が発酵仲間たちでしたので、対象以前の麹のつくり方、天然酵母と協会酵母の違い、ディープな質問が飛び交いました。

黒川醤油

昔ながらの木の樽で2 年かけ、低温発酵で仕込む醤油。急がない。自然のリズムに合わせた発酵にこだわる。
2年かけて低温発酵される木樽
まずは大豆を蒸して、炒って砕いた小麦を混ぜます。
大豆を蒸す機械

3日かけて室で麹をつくります。
さらに食塩水をくわえて醪を仕込む。

タンクには、それぞれの蔵に独特の麹菌、酵母菌、乳酸菌、多様な菌たちが棲んでいる。
蔵によってすんでいる菌のバランスが違うので同じものができないのですね。
醤油の食べ比べ

芳村酒造

ヤマユリから分離したやまのかみ酵母、正暦寺の奈良うるわし酵母など、協会酵母以外も個性的な酵母を使う。

「遊びでいろいろつくってる」と社長。

米を持ち込み、500キロからオリジナル酒を委託でつくることもできるとか。


奈良うるはし酵母の酒
三輪明神は杉玉発祥らしい

奈良漬けいせ弥

慶応創業の老舗。味噌と奈良漬けの店舗を新装オープン。作ってる麹も見せていただきました。

生麹と酒粕も販売されています。奈良漬けのもとは780円。麹は500g 650円〜。



宇陀市松山地区についてはこちら


宇陀市松山地区観光案内ホームページ
http://aknv.city.uda.nara.jp/matuyama/index.htm

地図

2017年11月6日

【11/3開催報告】植物に学ぶ山村集落に受け継がれる知恵:藍服と薬草狩り

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150年間藍壷を先祖代々受け継ぐ笠間藍染さんを訪ね藍染め体験のあとは、食べられる森へ。推古天皇の時代から薬草狩りが行われていた地で、薬草を学ぶ勉強会。
のぶどうとやまぶどうの見分け方、サンシュユ、がまずみ、ヤマナシ、マタタビはお酒に、ツルニンジンは根を生で味わい・・・穫っては食べ、食べては学び、五感を使った草の生存の知恵と人との関わりに触れる旅でした。
Travel to visit producers in Uda: Indigo Japan blue and Medicinal Plant Expedition.




使う水は山水のみ。150年の藍壷を受け継いで

前回も訪問しました宇陀市室生の笠間藍染さん。150年間続く集落の紺屋4代めのカヨさんが教えてくれました。

「先代が倒れたとき、夫が働きに出ている間、とにかく私が受け継がなければ。そして、いずれ、夫にこの技術を引き継ごうと思って。そうしているうちにはまってしまって・・・」

笠間には他にも藍染めをしているおうちや、野鍛冶をしているおうちがたくさんあったという。今や、きえつつある村のナリワイ。染めも鍛冶屋も最後の一軒になってしまった。
それでも、この集落にある暮らしの一部として、残して行きたいと思いをもって続けておられるカヨさんを訪ねました。


いつもながら、みんなでいくと、わたしは染める時間がありませんでした。
次回はゆっくりまた染めにいきたいです。



森に薬狩りへ。自然のめぐみつまみ食いウォーク。

お昼は道の駅で持ち寄りランチのあとは食べられる森へ。
ところどころ立ち止まっては採集し、自然のめぐみをつまみぐいしながら歩く。



がまずみ。お酒につける。


 またたびの虫こぶ。こちらも薬酒に。
生で食べるとどんな味がするのか?
まるで香辛料のようなスパイシーさです。

韓国では、ツルニンジンを生ではちみつ漬けにして食べると聞き、やってみました。
匂いは土っぽいのですが、意外にもあっさり風味。癖がなく、これはサラダとしてもいけそうです。

ツルニンジンの花



カラスウリ。うちでの小槌の形をしている種は、財布にいれておくお守りに。または、炒って食べることもできるそう。非常時の携行食にもなって一石二鳥だ。


 サルナシ。たべてみたらわかるのだけど、キウイと同じ仲間で、見た目も味も、まるでミニ・キウイ。お酒に漬けてもおいしいそう。



 やまぶどう。そのまま食べても美味しい。
のぶどう。こちらはたべられない。カラフルな実はリースや生け花にも使えそう。



今後もできるだけ実践的な内容で、植物に触れていただける時間を作って行けたらと思います。

次回は、葛根掘りと、本葛づくりのワークショップを計画中です。

春には山菜採りと薬膳料理も楽しみましょう!







2017年10月22日

薬草の知恵を学ぶ教室@森野旧薬園:薬草狩りと薬酒づくり

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奈良県宇陀市(当時の阿騎野)は、推古天皇が薬狩りをしたという日本書紀にもでてくる伝統的な薬草生産地。朝廷は阿騎野一帯を「禁野(しめの)」とし、独占的に狩りをしていたそう。男性は猟を、女性は薬を摘んだといいます。
古来から人は、自然の知恵を学び、野とかかわりながら生きていたのですね。


そんな薬草の地で、定期的に薬草の知恵を学ぶ観察会を行っています。
観察するだけではなく、実際に植物を使ってみたり、手作りする暮らしをシェアしていけたらとおもいます。

今回は、雨で足下の悪い中、午前中は、森野旧薬園で長年栽培管理をされている原野さんに園内をご案内いただき、栽培から薬草の使い方、効能まで丁寧に教えていただきました。
ランチには、6代目当主が出版された民間療法の本「妙薬30種」をもと作っていた健康食が薬草料理を堪能。

そして、午後は約20種類の薬酒を漬けておられる山の達人の藤本さんを講師として、雨の中実際に山を歩き、採集させていただきました。

森野旧薬園にて薬の探検


アマチャ(甘茶)

森野旧薬園の菜園図

ランチには今阪屋旅館に伝わる薬草弁当をいただきました。
薬草に関する研究をしておられた6代目がまとめた「妙薬30種」を元に、いまは8代目が受け継いで葛刺しや胡麻豆腐に自家菜園で摘んだ薬草の天婦羅など体に優しい薬草料理をつくっておられます。
3階のお部屋で、かぎろひの山々を望みながら、おかみさんに万葉集の歌を披露していただきました。オペラのような美声です。
3月下旬~11月初旬までの期間限定です(2500円)。

90年以上続く松月堂さんの伝統的な和菓子「きみごろも」。
見た目は、揚げ出し豆腐のようですが、食べてみると、さくさく、ふわふわ!
メレンゲのような食感でかなりユニークな和菓子です。


さて、午後からは山へ。
雨がひどいので山はあきらめていたのですが、道ばたからとれる薬草もある、とのことで、ご案内いただき、「ツルニンジン」「マタタビ」「サンシュユ」「ナツメ」4種類の薬草を採集しました。

ナツメ採集中

蔓ニンジンは、5年間かかって、人差し指くらいの大きさの根に成長するそう。
年数がたった株ほど、葉が大きく、茎が太いのが見分けポイント。
蔓をたどり、つちを掘っていきます。

ツルニンジン

これは大ヒット!10年ものだそう!
上のはたぶん15〜20年ものとのこと!
まるでハリーポッターにでてくる泣きまくる生き物みたいです。 
カラスウリ

3種類のニンジン酒(ツルニンジン、チョウセンニンジン、トチバニンジン)飲み比べ

センダン


マタタビは高枝ハサミで穫る

採集のあとは、大宇陀にある古民家ゲストハウス「奈の音」さんにご協力いただき、お庭で根を洗い薬酒作りのワークショップ。


薬酒のできあがり。
さて、1年後、それぞれどんな味になるか楽しみです。


次回は、11月3日(金・祝)、午後からまた薬草観察会を予定しています。
すでに10名ほど先約いただいています。
少人数での勉強会にしたいのであと5-6名ほどで閉め切らせていただきます。
よかったらご連絡ください。





2017年10月5日

薬草が学べる公園:花背の森の薬草学

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京都薬草の森公園の薬草講座

「ここに6種類の薬草があります。足下にも3種類。わかりますか?」
ヒキオコシやサンシュユ、葉や実を食べて味を覚える。


今日は、京都府薬務課の「薬膳インストラクター(上級)」の薬草学実習でした。3年間を通じて、中医学・薬草学・薬膳実習と体系的に東洋医学を修める予防医学の市民リーダー養成講座。
3年めになると、どの時期にどの薬草のどの部位を使うのか、薬効がどう変わるのか、などなど、薬草学の授業も少しレベルアップ。

花背にある京都薬草の森公園では、薬草栽培の基礎研究が行われており、喜界島やミャンマーなど、各地から集められた薬草が栽培されています。品種や土壌、気候が与える薬効への影響を調べる実験を行っているそうです。

◎ヤマイモ(学名:Dioscorea japonica)

漢字では、「山薬」と書きます。その名のとおり、薬としての品種比較試験が行われているのですが、ヤマイモに含まれるジオスゲインは、認知症予防に効能がある成分なのだとか。
農園には、世界各地から集められたヤマイモが栽培されています。
ヤマイモの品種比較試験

◎キササゲ(学名:Catalpa ovata, 英語:Chinese catalpa)

ササゲに似た実をつけるので、キササゲと呼ばれるけど、マメ科ではなく、ノウゼンカズラ科。
実は乾燥させて煎じると梓実(しじつ)とよばれ、民間薬として使われる。
夏に根を煎じて飲む。利尿作用に。
部位によって、収穫時期も違うし、効能も違うようです。
漢方薬には、効能もあれば毒の成分もありますが、民間薬は単体で使うので、副作用がないものがほとんどなのだそう。



◎ヌルデ(学名:Brucea javanica 英語:Macassar kernels)

ウルシ科の植物で、葉っぱが軸に翼がついていて特徴的なので、すぐに見分けられます。
秋は紅葉がきれいですが、ウルシ科なのでさわってはいけません。
そして、「ヌルデノオオミミフシアブラムシ」が寄生すると虫コブができ、生薬に。5倍の大きさになることか「五倍子」と呼ばれています。

虫こぶが生薬?と思われるかもですが、マタタビの実「木天蓼」もよく知られる生薬で、熱湯で虫を下してから乾燥させ、果実酒として漬けられています。

五倍子には、タンニンが豊富にふくまれ、お歯黒や染料として伝統的に使われていたようです。
これも民間薬草の知識ですね。


◎クロバナヒキオコシ(学名:Isodon trichocarpus)

「なぜ、ヒキオコシというかわかりますか?その答えは、食べて覚えるのが一番」
と、いわれ、たべてみると、苦い!良薬口に苦しというが・・・

寝たきり病人も飛び起きるほどだといいます。それを聞くと、食べてみたくなりますよね?!
でも、このヒキオコシ、シソ科らしい。
民間薬としては健胃薬に使われています。


◎チョロギ(学名:Stachys affinis)

こちらもシソ科。お正月の御節料理として食べる家庭も多いのではないでしょうか。
最近は、認知症予防効果があると言われ、花背でもいろいろと実験されていました。

農大出身者としては、気になるのが随伴雑草(擬態雑草ともいう)。単一作物の畑には、似たような雑草が蔓延るのです。田んぼには、やはり稲に似た、イヌビエが、粟の畑にはねこじゃらしが。ライ麦畑にはエンバクが。ちょろぎ畑にははこべが(はこべはシソかではないです)。


◎ウツギ(学名:Deutzia crenata 英語:Scabrous Deutzia

枝の中が空洞だから「空木」とよばれるらしい。
生薬名は溲疏。葉は花が咲く初夏に、実は秋に採集。

ほかにもいろんな植物の解説が。
栗の原種らしい。

アケボノソウ。センブリと同じ属だけど、こちらは薬効はとくになしとか。
金時生薑

 センダン

ランチタイムには、ヒユナのおひたしなども。



今後は、約120名の仲間たちを中心に、学んだことを活かし、各地で勉強会が開かれる予定。私もさっそく再来週、薬草のまち宇陀で、薬草狩りと薬酒講座を開く予定です。

薬膳インストラクターについてのお問い合わせはこちらへ。
京都府医薬品登録販売者協会
http://www.kyoyakkyo.or.jp/event/

【10/21作り手に出会う旅】藍服と山の薬酒づくりイベントページはこちら。
※満席になっておりますが、また定期的に薬草の勉強会やります。
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